定期借地権マンション・一戸建てについて取材を受けた際にまとめたメモです。ざっくりと理解していただくためにお役立てください。
●定期借地権マンション・一戸建てとは
・建物は所有権
・土地は50年(以上)の借地権(期間を50年以上として借地権を設定する場合は、契約の更新や建物買取請求権を認めない特約をすることができるため)
・契約期間満了後は建物を解体、更地にして返還が一般的
※特徴
・所有権物件より価格が、マンションは30%程度安い 一戸建ては50%程度安い
・契約時に保証金or権利金
・地代が毎月かかる。地代は将来、変更可能性も
・解体準備金が必要なことも 1万-1.5万
・借入可能額や期間/金利など、住宅ローンの使い勝手に課題
※借地権物件はなぜ少ないのか
・地権者の理解が得にくい
・デべの利益は建物分だけ(土地に利益を載せることができない) など
※メリット
・初期の負担が小さくてすむ。買い替えする場合、権利金は全額戻り、転売もで可能。
・物件価格のうち建物比率が大きいため(100%+権利金)、減価償却費比率が高く投資用賃貸に有利。地代も費用計上可能。
● 遠方大家を襲う地方投資の隠れたリスクたち!~北の大地編~ 358 アクセス
前回までは、私の25年間の不動産投資歴のうち、バブル前の第1期に体験した話をお伝えしました。今回から数回に渡って、バブル崩壊後の1992年7月~1994年2月に、札幌の区分所有マンション6戸を購入した【 第2期 】のエピソード等を紹介します。
※写真は【 第2期 】に札幌に購入した区分マンション
バブルが崩壊した1992年( 34歳 )。せっかちな私は、そろそろ不景気も底かと思い、再び買いに走りはじめました。ドルコスト平均法、ナンピン買い下がり法と同様に、平均買い単価を下げる手法です。
実際は、まだまだ下がり、1995年には( 37歳 )阪神淡路大震災が発生。景気の底は抜け、「 失われた20年 」よろしく現在に至るのですが・・・。当然、その当時の自分はそんなことを知りません。
というわけで、3年ぶりに収益不動産を探し始めた私が注目したのが、札幌でした。その時点での私は、東京と博多に物件を持っていましたが、札幌も前から好きな街のひとつだったからです。
実際、札幌に物件を持つメリットは多いように感じました。
・活断層が通っておらず、地震・津波のリスクが低い
・街が碁盤の目のように整備されている
・「 BRICs 」( ブラジル・ロシア・インド・中国 )の一つロシアに近い
・自然の美味しい食べ物が満載( 米、ラーメン、野菜、蟹、牛乳等 )
・首都圏・関西圏・中部圏に続いて日本第4位の経済圏であり人口180万人の大都市である
そこで、コツコツと札幌市内の区分マンションを増やしていくことにしました。
しかし、何事もそうですが、メリットばかりではありません。
バブル崩壊後、日本中が元気を失っていましたが、その中でも札幌はひときわの大不況でした。まさに氷河期です。北海道拓殖銀行倒産・マイカル倒産、「 白い恋人 」事件・雪印事件も、それに拍車をかけました。
現地に物件を持ってみて、初めてわかったことも、たくさんありました。
例えば、札幌では東京の常識は通用しませんので、何をするにも説明と時間がかかります。そして、冬はとにかく寒い。電気ストーブでは効かず、石油ストーブ等強力なものを設置しなければなりません。光熱費もはんぱではありません。
積雪の場合の雪下ろし・雪かきも大変です。建物も雪等の影響で痛みやすく、予想外の修繕費がかかります。
礼金という制度もありません。それどころか、「 仲介手数料 」とは別に「 広告料 」が必要になります。この広告料については、宅建法上はグレーであるにもかかわらず、請求される額はどんどん増えています。
また、家賃は二束三文なのに、管理費・修繕積立金、修理費・リフォーム費用は東京と同じくらいかかります。いえ、むしろ競争原理の激しい東京より、管理費等は高いかもしれません。
一旦修理やリフォームをすれば、回収するのに、何年もかかります。10年間で家賃半額、物件価格半額は当り前の世界です。少なくとも家賃下落年間5%は見込んでおいた方が無難でしょう。
そう考えると、表面利回り15%といっても、調達金利5%( 金利上昇も想定 )、家賃下落5%を見込めば、実質5%ということになります。
額面の家賃収入から、管理費・修繕積立金、賃貸管理手数料、ローン、固定資産税・都市計画税等を差し引いた、手取り現金が、いくらになるか計算してみると・・・ゾッとします。
だからといって、売却するのも簡単ではありません。売却可能価格が下落してローン残高にも満たず、抵当権を抹消できないからです。
私はなんとかまぬがれましたが、キャッシュフローが赤字で持ちこたえられない物件が増えれば、任意売却、競売も多発することになるでしょう。まさに、自然淘汰です。
私が最初に札幌の物件を購入してから、20年になりますが、この街からは地方投資を行う上での教訓をたくさん得ました。
家賃・資産価値下落、訴訟トラブル、家賃保証会社倒産、融資受け不能、故障、騒音トラブル、空き巣、滞納、夜逃げ、火災、水漏れ、自殺、長期空室・・・。
不動産投資のリスク・デメリット・事件・事故・失敗のうちのほとんどをこの街で経験したといえます。本当に、随分と鍛えられました(笑)
もちろん、同じ札幌市内でも、順調に大家業を営んでいる方もいらっしゃいますので、私に甘いところがあったのでしょう。実際、反省も多々あります。
手痛い経験をした私から言えるのは、地方にはその地方特有の商習慣や、観光で行っただけではわからない気候の影響などがあり、地方投資をするなら、それらを考慮することが大前提ということです。
【 まとめ 】目先の利回りだけに惑わされず、修繕費、空室、リフォーム費、広告料、家賃下落等余裕を持ったキャッシュフローが重要です。
2012年3月30日掲載
● さらに視野を広げる 全国大家ネットワークのセミナー
日時 内容
4/21(土) 13:20 ~ 最先端! 踊る チンタイ経営2012春
今回の大家列伝に登場いただくのは、元外資系金融マンで、現在は大家業やビジネスオーナー等をしながら「 おもろい 」人生を送るたかおさんです。42歳で経済的自由を手に入れたたかおさんですが、元同僚には不動産投資で自己破産した人も複数いるのだとか…。全2回連載の初回に当たる前編では、不動産投資との出会いを中心にお話を伺いました。
■ 不動産投資はポートフォリオの一部です
華子
自己紹介をお願いします。
たかおさん
大阪出身の45歳です。18歳のとき、ウォール街をテーマにした映画を観てマーケットの世界に進むことを決意、そのステップとして大学卒業後は信託銀行に入社しました。7年勤めたところで、目標だった外資系金融に転職。42歳でサラリーマンを卒業しました。
現在はアパート1棟と店舗1戸の家賃、その他に整体院など経営に関わっている複数のビジネスから収入を得ていて、わかりやすくいうと、6つの財布があります。
家賃収入は月に100万円位ですし、不動産はポートフォリオの一部なので、不動産投資家といわれるとちょっと違和感があります。今は、自分にとっての「 おもろいこと 」を色々やっています、というのが自己紹介になるかもしれません。
華子
「 おもろいこと 」ですか。いいですね。退職後に、不動産投資を始めた理由を教えてください。
たかおさん
信託銀行で融資案件などを扱っていたので、不動産投資には元々なじみがありました。一番の目的は、資産の置き換え。自由な時間を得たかったため、あまり手をかけずに定期的な収入を得られる点もよかったです。
華子
実際に不動産投資を始めるまで、どのように勉強しましたか?
たかおさん
私は何かを始めるとき、最低30冊の本と30回のセミナーを基準に、時間とお金を集中的に投下します。不動産投資のときも同じで、多くの情報を得た中から、「 オンリーワン勉強会 」という会に入り、東京の城南地域に新築アパートを建てる方法を選びました。利回りやキャッシュフローより資産価値を重視した結果です。
■ 世田谷区の駅4分の土地を任意売却で購入
華子
どんなアパートを建てたのですか?
たかおさん
8戸の木造アパートです。広いロフトがついていて、2人入居も可能。2010年に完成して丸2年が経過しましたが、順調に運営できています。今年の更新期に入れ替えがあった部屋も、礼金2、敷金1で入居が決まりました。
更新してくださった方には、プリザーブドフラワーを贈りました。管理・仲介不動産会社さんには感謝しています!
華子
■ 土地はどのような経緯で購入されたのでしょう?
たかおさん
購入した世田谷区の駅から徒歩4分の土地は、以前から前を通るたびに「 こんな場所にアパートを持ちたいなあ 」と思っていた場所。そこを偶然、紹介されたのでご縁があったのでしょうね。任意売却物件で所有者の不動産業者さんの決算の時期だったことから、相場より数千万円安く買えました。
■ いつも10年先のことを考えて行動してきた
華子
目標のとおりの人生を歩んでいるように見えますが、そうするためのコツはありますか?
たかおさん
私はいつも10年先のことを考えて行動しているんです、ほんとですよ( 笑 )。信託銀行も「 30歳で辞めます 」と宣言して入社しましたし、行員時代も、他のメンバーが上司と飲みに行く中で、自分だけは異業種や他社の人たちと交流していました。社内で上司の顔色を窺がう同僚とは、見ている方向が全然違いました。
外資系金融にはヘッドハンティングで移ったのですが、この仕事も10年で辞めると決めていて、42歳で引退しました。その後は「 おもろいかどうか 」で進む道を決め、現在に至るという感じです。おかげで、今はやりたいことをしているという充実感がありますね。最近はハッキリではありませんが、次の目標も見えてきました。
華子
外資系金融マンの頃から不動産投資や、ビジネスオーナーになるための準備をされていたのですか?
たかおさん
いえいえ。当時は、朝5時まで六本木で接待、6時に自宅に帰ってシャワーを浴び、7時には会社で朝の会議の司会をしている、という生活でしたから、そんな余裕はありません。10年くらいはまともに寝た記憶がないですね。会社でも「 稼ぎに来ているんだから、私生活なんてないと思え! 」と部下に言っていましたし・・・。
ただ、リーマンショックでそれも終わりました。当時は忙しい代わりに、1億円以上稼ぐ人も多かったんです。でも、今はよくて3,000万円くらい。業界も変わりました。
そういえば、当時の職場には物件も見ずにフルローンで数億円のRC物件を買った人が何人もいました。あの時代は外資系金融マン専門の不動産会社がいくつもあって、職場に営業電話がかかってきたんです。中にはリーマンショック後に自己破産した人もいますよ。
■ 投資で失敗するのは自分を天才だと勘違いしている人
華子
なぜ、お金のプロが自己破産してしまうのでしょうか?
たかおさん
ずっと、いいときが続くというバブル的な幻想を抱いていたんでしょう。儲けているときなら損が出ても節税になりますから、問題はないんです。でも、収入が減って返済額の方が大きくなれば、毎月の持ち出しは金銭的にも精神的にも大きな負担になります。
外資系金融マンは毎日、億単位のお金を動かしていて、数字に強いという自負があるので、そこを逆手に取られてしまう。不動産投資はデータだけではわからないことも多いのに、作り込まれた資料の数字を過信してしまうんですよ。
華子
投資で失敗する人とうまくいく人の差はどこにあるのでしょう?
たかおさん
うまくいく人がなぜうまくいくかは、正直なところ、わかりません。でも、失敗する人はわかります。それは、自分が天才だと勘違いしている人だと思うんです。ウォーレン・バフェットだって失敗するんですから、謙虚な気持ちがないと足元をすくわれますよね。
私の父親は経営者でした。父から学んだのは、「 商売にはいいときも悪いときもある 」ということ。ですから、私自身はうまくいっているときも無駄なお金を使いませんでした。父親が銀行で苦労したのを見ましたから、借金もしない主義です。世田谷の土地とアパートも現金で購入しました。
華子の編集後記
世田谷区の土地と8戸のアパートを現金で購入したというたかおさん。聞くと、42歳で外資系金融を退職した時点で、一生困らないお金があったそうです。明日の後編では、リタイヤ後の暮らしや、自分らしい人生を築く方法などをお聞きします。お楽しみに。
● 銀行が融資したがる大家さんとは(序章) 1,423 アクセス
このコラムを書いているのは、3月中旬。
銀行は、この3月期末決算に向けて、仕事も佳境に入っています。
融資について今期の目標に未達の支店は、現在進行中の融資案件を実行するために、お客様に資料を依頼したり、本部の審査部門と折衝したり、他にもいろいろな作業を過密スケジュールの中でこなしています。
最近、自分の物件のリフォーム資金や相談を受けている大家さんの新規物件取得資金の件で、いろいろな銀行と打ち合わせしていますが、どの銀行の方も普段よりテンションが上がっています。
私も現役銀行員の時は、2月から3月にかけては、毎年ハイテンションでした。
私は、融資部門の在籍期間が長く、その当時は、新規の融資先を探したり、既存のお客様に借り増しして頂くことが主な仕事でした。
常にお金を借りてくれる先を探していました。
今も、各銀行の支店長や融資担当者の方と話していると、「 ぜひアパート・マンションを買おうとしている方をご紹介ください 」と言われることが多いです。
このことを知り合いや相談を受けた大家さんに話すと、驚かれることがあります。
・自分は、どこの銀行に融資を申し込んでも断られる・・・
・希望額の一部しか融資してくれない
・大企業には貸しても、中小企業や個人の大家さんには、あまり積極的に貸してくれないのでは?
・貸し渋りを受けた・・・
銀行は、お金を貸したがっている。
一部の大家さんや今から大家さんになりたい方は、お金を借りたいのに貸してもらえない。
このミスマッチはどこから生まれるのでしょうか?
それは、お金を借りる側が、お金を貸す側のルールをわかってないことに起因することが多いです。
「 ルールがわかっても、結局、自分は貸してもらえないのでは 」という声も聞きます。
確かに、今買いたいと思っているターゲット( 金額・エリア・構造・築年数等 )の物件に融資してもらうことはできないかもしれません。
でも、銀行の融資のルールがわかれば、今の置かれた立場で買える物件、そして買って良い物件がわかります。
「 大家さん 」は、銀行にとって「 不動産賃貸業者 」という事業者です。
仮に、あるサラリーマンの方が、銀行の支店に練りに練った事業計画書をもって、「 1,000億円規模の投資を必要とする事業を、脱サラして、すぐに始めたいから、それに必要な資金を融資してください 」と言っても相手にされないでしょう。
しかし、最近上場している1,000億円規模以上の成長企業の中にも10年前は数人の小さな会社であるケースも。
創業ベンチャー企業は、最初は、少額の資金で事業を開始しているところが多いです。
ただ、最初は、小さい規模の事業であったとしても、時流を読み、その時々に適切な経営判断を続けていけば加速度的に成長することも可能です。
いろいろな大家さんや大家さん志望の方のお話を聞いていると、既にアパート・マンションを複数等所有し、大規模になっている先輩大家さんのように早くなりたいという気持ちが、ひしひしと伝わってきます。
その気持ちも分かりますが、「 急がば回れ 」「 ローマは一日にして成らず 」ということわざを念頭において一歩一歩着実に経営基盤を作り、成長のチャンスがあればそれを逃さない、という心構えが大切であり、それこそが大家業で成功する秘訣と常日頃、多くの成功している大家さんと接して実感しています。
次回は、銀行が融資したい大家さんについて、具体的に説明します。
大家業を拡大していくには、一部の資産家を除き、銀行からの融資は不可欠です。
「 銀行が融資してくれない 」と嘆くのではなく、銀行の融資ルールを理解して、「 銀行が融資してくれる 」不動産投資方針を組み立てて頂ければと思います。
2012年3月21日掲載